Love Glows




すべてはあの流れ星を見た時から――。



私たちは、とっても大きなことを成し遂げた、と思う。
ううん、それは私ではなくここで今、沢山のお祝いしてる人たちが勝ち得たもの。
そして、私の目の前で私をとても優しく見つめてくれているこの人のおかげ。
この人が、こうして私を繋ぎとめてくれていたから、
私は安心してこの人の隣にいる事ができるんだ。



さっき交わした何気ないキス。
彼にとっては何気ないフリだったのかもしれないけど、
私にとってはとっても嬉しかった。
私、ここにいてもいいのかな?
あなたの・・・スコールの隣にいてもいいのかな?



後から人づてに聞いたんだけど。
二人の姿が重なるのを見て、周りが騒いでいたとかどうとか、
そんな事はもはや私たちには関係なかった。
だって、これが終わりじゃないもの。
私にとって、彼にとって、ここから始まり、いや終わりになるかもしれない。
そんな不安を抱いていたなんて、到底人に言えたもんじゃない。
スコールもそう思ってるのかな?それとも、私だけ?



きっとそんなことを考えている時間は、
さっきのキスからそんなには経ってなかったんだと思う。
でも、私の足や肩が冷えるくらいに、長く長く感じられて。
何も言えずに、バルコニーにもたれかかって夜空を見ている
彼の横顔に釘付けになっていた。



ふと、スコールが私の視線に気づく。
「・・・?どうした?」
「ううん、なんでもないよ。」
「そうか?」
「うん。」
「ならいいが・・・。気を悪くしたか?」



ぷっ。くすくすくす。
思わず噴出しちゃった。
「何だよ・・・いきなり・・・。」
「ごめんって〜。気を悪くするなんて、そんなことあるわけないじゃない。」
「なら、何で笑うんだよ?」
「ううん、何でもないの。スコールって、優しいね。」
「はぁ?」



わけがわからない、といった感じの顔をしながら、
眉間に皺を寄せている、いつものスコール。
でも、それが今までの彼と違うことはもうわかる。
私は、さっきまで悩んでいたことは・・・不安は打ち消すことは出来ないだろうけど、
この人と一緒に歩んでいけば、きっと大丈夫だと思えた。



だってあの笑顔を見た時に思ったんだもん。
この人は魔女の騎士・・・。
私を、魔女になってしまった私を
いつまでも守ってくれる人なんだ、って。
ちゃんと言葉で言ってくれないとわからない、って
常々言ってる私がなに言ってんだか、って思っちゃうけど・・・。



・・・信じていいよね?
私がいつまでもスコールと一緒に、いられますように。
あの流れ星に願いを込めて。



でも、きっと、すべてはあの流れ星を見た時から、運命は決まっていたのかも――。





Fin



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